「……ここは?」 龍「俺のお気に入りの場所だ」 「なんで……ここに連れてきたの」 こんな綺麗なところに……。 「綺麗だろ?」 「えぇ、とっても」 街の地平線に沈んでゆく太陽は 名残惜しそうにゆっくり、ゆっくりと沈む。 忙しなく行き交う車も人も みな、小さく見える。 龍「ここには、時々来るんだ」 静かに話し出した龍の言葉を聞き逃さないように耳を澄ませた。