闇の向こう側で~あなたの光を~











龍「おい、美海」


「なに?」


龍「なんで制服なんだ」


「手が滑ってお茶がこぼれたの」


龍「そんなこと美海はしねぇ」


「そんな完璧な人間じゃないわよ」





この言い争いは10分くらい続いている。

紫音と海と一緒に戻ってきたら





まだ女子は練習してたはず。

終わったとしてもついさっき。

5分も経ってねぇはずだ。

なのに何で美海は着替えて制服なんだ。




と、尋問みたいに聞かれてなんとか誤魔化そうとしてるとこ。




龍「でも、美海はそんなヘマしねぇ」


しつこい、とっても。

さすが総長、言ってることは正論で鋭い。

だけど


「私だって少しくらいは失敗するわ」


そう、私だって失敗はする。

そんな完璧な人間じゃない。

見た目は普通のどこにでもいる17歳の女。

中身もほとんどそう。