闇の向こう側で~あなたの光を~









………紫音?


紫音「はぁ…っ、はぁ……っ」


うなされてたのは、紫音…?

目の前で過呼吸になりかけてるのは、紫音なの…?

苦しそうに胸を押さえてるのは……



「紫音っ。紫音っ!」


起こさないと。

起こさないと。


何が何だか分からない。

だけどっ。


紫音「うっ…。はぁ、はぁ…、み…う?」



……気が付いた?



「そうよ?紫音、ゆっくり呼吸してごらん?」


袋を渡して紫音の口元に持っていく。

背中を擦りながら、声をかける。


そのうち、だんだんと呼吸が落ち着いてきた。



紫音「美海ちゃん、もう大丈夫、ありがと」


「え、えぇ」


紫音「練習は?」


「あ、体操服が汚れちゃって」


紫音「そうなの?何かあったの?」



いけない。気付かれる。

誤魔化さないと。


「ちょっと手が滑ってお茶がこぼれたの」


紫音「美海ちゃんって意外とおっちょこちょいなんだね♪」


「たまたまよ」