「そんなこと気にしないで」
すると海は泣きそうな声で
美海の思い出のコップでしょ、これ……。と言った。
よくよく見てみると確かに大事にしてたコップだった。
私の顔を見て確信したのかもう一度
ごめん…美海……。
と呟いた。
凛とお揃いで買ったコップ。
私が青で
凛が黄色。
思い出の詰まった大事なコップ。
「海、手を出して?」
海「え?」
「消毒しましょ?」
海「でもっ美海の大事なコップっ。
思い出のコップなんでしょっ!?」
声を荒げる海。
罪悪感でいっぱいなのだろう。
一度でも瞬きをすれば
海の綺麗な瞳から雫が落ちそうだ。


