その後は、ずっと見たかったDVDが陸くんの家にあって、それを見ながら過ごした。

しかし、本当にそれを一緒に見ただけで、
美佳子ちゃんの言う恋人らしいことは、
まったくなかった。

寂しいような、ほっとしたような。

どんどん欲張りになっていく自分に嫌になった。

陸くんと付き合えているだけでも、
奇跡なのに、
それ以上の欲張ったら、
すべてをなくしてしまいそうな気がした。