「佐奈ーー!また、陸くんのこと見てたでしょーー」

親友の美佳子ちゃんが、私のほっぺたを引っ張る。

「いひゃいよ、みひゃこひゃんーーーはなひぃてー」

そして、ゆっくりと手を離して。

「もー、そんなに好きなら、早く告っちゃいなさいよ!」

あきれた顔であたしを見下ろす美佳子ちゃん。

「でもさ、あんなにもてもてなんだから、あたしに、付き合えるはずないじゃんー」

あたしは、そう言って机にぺろーんと伏せた。