扉からあの人の声が聞こえた。



「ずーっと待ってたのに、何やってるの?」



「絋君……!」



こんなときに嬉しいと思ってしまう私は、やっぱりバカだ。



「おいで、雪乃」



呼ばれてテクテクと絋君のところに行く。



すると抱き締めてくれた。



「雪乃ちゃん。その人が、好きな人?」



「そ。俺が雪乃の好きな人」



私が答える代わりに絋君が答えた。



「そっか。仲良くな。彼氏さん、俺諦めないっすから。奪えるときは容赦なく奪います」



すると絋君のオーラが変わった。