家を出て、できるだけ遠くへ向かった。



誰か、助けて。怖いよ……!



「ハァ、ハァ、ハッ」



たどり着いたところは、公園。



なんでこんなところに来たんだろう。確かに家から遠いし、お義父さんが来ることもないだろうけど。



キィー、キィー



ブランコに腰掛け、携帯を開く。



「……雪乃ちゃん?」



ビクッ!



急に誰かに話しかけられた。



「だ、れ……?」



声からしてお義父さんじゃないのに、お義父さんのような感覚。



怖くて怖くて。



「俺だよ。樹」



「い、つき、君?」



クラスメートの樹くんだった。