絋君、絋君……。



絋君……?



「あっ……」



すごいっ。絋君すごいよ。



「ん?どした?」



「絋君すごいよっ!絋君ってヒーローだったんだねっ!」



絋君の腕を掴み、ニコニコしながら言った。



ヒーローだよっ!絋君。ひろって名前でしょ?



伸ばしたらひーろーでヒーローだよっ!



「プッ。あははっ!」



なぜか吹き出す絋君。



「なんで俺がヒーローなの?名前だけじゃん」



だって!



「知らない人から、あのとき、助けてくれたからっ」



思い出すだけで気持ち悪くなる。けど、絋君がいるから、なんでか大丈夫な気がする。