「雪乃、行こう」



「あ、うん。樹くん、またね」



樹くんに手を降り、教室を後にする。





「よかったな」



「うん」



よかった。ホントによかった。



樹くんの気持ちが聞けて。



もしも今日聞けていなかったら、明日も明後日も怖いままだったと思う。



「でもさぁ、だからって手握らなくてもよくね?」



繋いでいた手をギュッと握り、拗ねた素振りを見せる絋君。



ふふっ。可愛い。



「なに笑ってんの?」



「いや?ただ、かわいーなぁと思っただけだよ?」



「ふぅん」



するとニヤリと笑った。