本当は誰よりも




今まで仕事の話以外で、黒崎課長とプライベートな話なんてしたこと一度もなかったのに。


『そうゆう偉そうな事はこの書類を100%完璧な状態で仕上げる事が出来るようになって言え。』


そう言って、私のデスクに書類の束をポンっと置いた。



『えっ?・・嘘。』


『計算表、ひとつズレて入力してある。』



ガンッと、まるでお笑い番組みたいな盥がおちてきたかのように、頭の中がガーンって響き渡っていた。



『ご愁傷様。』
まるで他人事みたいに私を憐れむような目をし、合掌する舞。





・・・本日の仕事、残業決定・・・