《裕也side》 助手席で夏樹が寝てる。 夏樹の黒く長いまつげが、白い陶器みたいな肌によく映えている。 コイツ、けっこうかわいいんだよな……。 まあ、ものすごくわけありっぽいけど。 本人が話したがらないから訊かないけど、すっげー気になる。 どうしてだろうな……。 ……何分か車を走らせ、ようやく家に着いた。 マンションの駐車場に車を止め、夏樹を起こす。