疲労で痛む足を、なんとか動かしながら歩いていたときだった。 ポツリ、ポツリ……突然、あたしの肩に雨が落ちてきた。 それはゆっくりとアスファルトを濡らし、黒に染めてゆく。 「……あ」 どうしよう、雨が降っちゃった……。 雨宿りできるようなところはない。 やけにキラキラしたお店ならたくさんあるけれど、お金がないし、入る勇気もない。 それと、あたし……カラダが熱くて、フラフラしてしまっている。