* ……電車がどこかの駅に着いたみたい。 ぷしゅー、と空気の抜けるような音がし、ドアが開いた。 「夏樹!」 どこからか、裕也の声が聞こえる。 ……幻聴だ。 たぶん、裕也の声、聞きたくてしょうがなかったから。 あたしの脳が勝手に裕也の声を頭のなかにプラスしちゃったんだ。