体育館の隣に、道場がある。

昔は高等部の格技の授業で、剣道やら柔道やらする際に使われていた道場なのだが、久しく使われていない。

空き道場なら腹出し爆睡部にあげればよかったのにねぇ。

だがこの小さな道場は腹出し爆睡部に譲渡される事なく、他の者の手に渡っていた。

いつも閉め切られて光さえ差し込まなかった道場は、大きく扉を開け放ち、窓も全開。

そしてその入り口には、看板が立て掛けられていた。

『夕城道場』

「ゆ…」

シンとリィが、揃って首をコテンと傾げる。

更には鬼龍も声を揃えて。

「「「夕城道場?」」」