ぼんやりとした視界の端で、携帯が震える。
きっと真奈美とか、ほのかが心配してメールをくれているのだろう。
しかし今は返事をする気力も体力もない。
放っておいて、あとで返事をすればいいや。
瞼が重い。
このまま寝てしまおう。
布団を手繰り寄せて、寝返りをうつ。
プルルルルル、プルルルルル。
「……っ!」
唐突に、家の電話がしきりに鳴り響く。
嫌な汗が背中をつたう。
もしかしたら、担任が掛けてきているのかも。
今日から一週間ほど休みをもらうから、きっと現状を把握しておくための電話だ。
だとしたら、出なくちゃ。
でも、もし、大柴じゃなかったら?
母の言う通り、ヤのつく自由業の人からだったら、どう対処すればいい?
プルルルルル、プルルルルル。
留守電にしておくんだった。
わたしは頭から布団をかぶって、ひたすら存在を訴える無機質な音に知らんふりをして、耐えるしかなかった。
プルルルルル、プルルルルル……。
ガチャッ。
