アブナイ教師の愛玩×彼女




そういえば、授業のプリントを真奈美が持ってきてくれると言っていた。


母親が、玄関先から声を張り上げる。



「お母さん、仕事行ってくるからねー」


「うんー」


「電話のこと、ちゃんと覚えてる?」


「覚えとるよ。行ってらっしゃい」



痛む喉を押さえながら、少しばかり無理させて声を絞り出す。

母親はわたしの返答に満足したのか、がちゃんと音を立てて扉を締めた。


しん、と静まり返る4LDK。


部屋にテレビはあるが、あいにくリモコンの電池が天に召されていて、本来の仕事を全うしていない。



「…………」



病院で熱をはかったときは、39度だった。


今は寒気もおとなしくなって、汗をかき始めている。

あんなことがあってから大柴と顔を合わせるのは気まずかったから、インフルエンザも空気をちゃんと読んでくれているとは思う。


熱を出した経緯は、昨日、雨にうたれたからだ。


教室を飛び出して、予報はただの曇りだったのが、気が付いたら雨が降っていて。


バイト先に駆け込んで、店長に売り場のタオルを渡されたぐらい、ひどく濡れていた。

それから、頭がボーッとしてきて、バイトを上がる頃には顔が真っ赤だと、川野さんが教えてくれた程だ。