2日後、アニア達は無事に神聖圏を抜けた。




その途端にいきなりの魔物の襲撃。




アニアは急いで装置のスイッチを押し、バリアを作動させようとした。




だが、バリアは一向に現れない。




「ちょっと、アニア!どうしたのよ!」





シンシアが慌てて叫ぶ。




アニアは必死に考えていて、返答しなかった。




イルはその様子を見て、手を頭に乗せ言った。




「....ラミアス、ひと暴れしてきますよ?」





「別に構わないが、馬車は動きっぱなしだぞ?」




イルはにやりとして答えた。

「大丈夫です。これを見てください」




「....投擲か?」




ラミアスの声にイルはさらに口角をあげた。



「そうです。念のため、買っておいたのが幸いでしたね。というわけで、馬車の一番上へと参ります」






「あら、それなら梯子を上がるといいわよ。実はベランダになっているのよ。4階が」






「なるほど」





イルはそう答えてしばし考えている。





「ええ。シンシア、手伝って。この装置を解体するわ」





アニアはバックからドライバーを取り出して言った。





ドライバーと言っても、妖精界特有の最高級ドライバーだ。





アニアはさらに荷物からネジなどの部品を出し続けている。





「....マジで言ってんの?」





「ええ」





シンシアの言葉にアニアは即答する。




シンシアはいうとおりに手伝うことにした。





理由は逆らったら何をされるかわからないからだ。





イルはそれを見ながらも自分のやろうとしていたことへ取り掛かろうとした。




「では、行ってまいります」




「おお、何かあれば呼べよ」



「心配せずとも、王子様に手伝わせるようなヘマはしないので」



「....お前ってやつは....」