先輩は、相手の学校のキャプテンとやり あっていて、二人とも一度も真ん中から 外すことなく矢を射ち続けるから、試合 は難航していた。 強豪校のキャプテンとやり合うなんて、 ほんと流石としか言いようがない。 ……ちょっとトイレに行ってこようかな 。 そう思って私は、こっそりと会場を抜け た。 「ふぅ~……」 トイレを終えて、ため息をつきながら会 場へと足を進める。 なんか疲れちゃったな、なんて思ってた ら。 「あっれー?美姫ちゃんじゃない?」 「お、マジだ偶然ー」