ここまで来て帰るとか、そんなの許され
ると思ってんの?
「……つか、まだ説教もしてねーし」
「え、せ、説教って?」
「……ほんと馬鹿。信じられない。無防
備」
「ちょ、いきなり何?」
なんで俺がこんなに不機嫌なのか、これ
っぽっちもわかんないとかあり得ないん
ですけど。
本当、ムカつく。
いっそのことメチャクチャにしてやろう
かとさえ思う。
「あの男、誰だよ」
俺の口から出てきたその声があまりにも
不機嫌そうで、驚く。
これじゃおもちゃをとられて、拗ねたガ
キじゃんか。
「あの男、って?」
「お前のこと連れてった男。お前、そい
つの部屋でぐっすり眠ってたもんな」
じっとりとした目でそう言うと、美姫が
う゛、と俯く。


