美姫を助手席に乗せてから、運転席に座
る。
美姫はまたすやすやと眠っていた。
そんな美姫のほっぺたを人差し指でつつ
く。
「人の気も知らねぇで……」
どんだけ心配したと思ってんの?
なんて言ったって、きっと美姫は、首を
傾げるだけだろうけど。
不意に、美姫の左手を見ると、指輪はキ
チンと嵌められていて。
「こいつのこと守ってくれよ……?」
俺は指輪に向かって、そう呟いた。
「──美姫、着いたぞ」
俺んちのマンションの駐車場に車を止め
てから、美姫を呼ぶ。
「ん~……?山田君のお家……?」
「明日は土曜日だからこのまま泊まって
け。ほら、しっかり歩けよ」
「んー……」


