しかも本人は気付いてないというおまけ
つき。このおまけが厄介だったりするん
だよな。



この前、美姫より先に仕事が終わった俺
は、美姫の仕事場まで迎えに行った。



すると、オフィスから出てきた美姫は、
知らない男と一緒で。



美姫は俺を見つけると、その男と二言、
三言交わしてから、笑顔で俺のもとへと
やって来た。



……が、多分その時の俺は仏頂面だった
と思う。



聞けば、よく色んな野郎から、昼食や夕
食の誘いを受けるんだとか。



まあ、美姫は綺麗だし。

イイ女を連れて歩きたいっていうのは、
わかるけど。



完全に下心満載じゃん、なんて思いなが
ら、「皆お前のこと狙ってんだよ」と伝
えると、美姫は一瞬ポカンとしてから、
大きな声で笑いだした。



「そんなわけないじゃーん!私の高校の
時のあだ名、"王子様"だよ?」と。



違う。こいつ、なんもわかってねぇ。