いつから好きだったのか、なんて。


聞かれてもはっきりとはわからないけど
。でもきっと───。



出会った、瞬間に。











左手の薬指に嵌められた、キラキラと光
に反射する指輪を嬉しそうに見つめる美
姫の髪の毛をゆっくりと撫でる。



こうしてやると、時々気持ち良さそうに
、少し擽ったそうに目を細める仕草がた
まらなく好き。



手入れの行き届いた、艶のある長い髪の
毛。



高校生の頃は、髪の毛の手入れなんかし
てなかったくせに、と思う。



俺はあれから、とある大手企業に運よく
就職し、働き続けている。



美姫も、もともと大学に行くつもりはな
かったらしく、高校を卒業したら、すぐ
に働き始めた。



そして美姫は、社会人になってから、グ
ッと綺麗になった。



元々綺麗だったけど、そこに女らしさも
加わってきた、というか。色っぽくなっ
てきたというか。