「美姫、左手見てみ?」

「左手……?」



そう言われて、ベッドの中からゆるゆる
と左手を取り出して──一気に目が覚め
た。



「これ……!」



私の左手には、眠る前までは無かった、
キラキラ光るダイヤモンドの指輪が嵌め
られていた。



山田君、意味わかってて、左手に嵌めた
の?



「美姫、俺と結婚して?」



私をぎゅっと抱き締めながら、甘えた声
でそう言う山田君を、抱き締め返す。



「する!絶対する……!」

「はは。気合い入りすぎ」



クスクスと笑う山田君。



だって、嬉しいんだもん……!



「愛してるよ、美姫」

「私も……、愛してるよ」