どこか皮肉めいた口調でそう言う山田君
のお父さん。



「俺と美姫とのこと、認めてほしい」



そんなお父さんに、凛とした声で、真っ
直ぐいい放った山田君。



「……馬鹿馬鹿しい。認めないって言っ
てるだろ」

「俺だって本当はそれでいいと思ってた
。だけど美姫が、それじゃダメだって言
ってくれたんだよ」



すると、少しお父さんの瞳が揺れた。



「……キミが?」



バチッと絡み合う視線。



私は、懸命に言葉を紡いだ。



「山田君お父さんだって、本当は山田君
と言い合いなんてしたくないですよね?
それに、逃げるだけじゃ何も解決しない
ですし……。


わだかまりが残ったままじゃ、お互いモ
ヤモヤすると思うしそれに──」



それに。



「私も……、お父さんに認めてほしいん
です」