「どうなっても知りませんからね」



折角僕が色々したのに……、とぶつぶつ
呟いているスイ。相変わらずもふもふと
気持ち良さそうな尻尾もどこか項垂れて
いる。



そんなスイの頭を、私は撫でた。



「スイの気遣いを無駄にしてごめんね。
でも嬉しかった。ありがとうね」



そう言うと、スイは照れたようにそっぽ
を向いて。



「美姫様が幸せなら、なんでも良いです
よ」



といってくれた。



僕は外で待機してます、というスイを残
し、ゆっくりとドアを開けて中に入る私
達。



すると、そんな私達に気付いた山田君の
お父さんが顔をあげて、鋭い眼差しを向
けてくる。



「……今さら何しに来た。逃げたんじゃ
無かったのか?」