そこで漸く、自分が天界に来たことや、
昨日山田君の部屋に泊まったことなどを
思い出した。



そうだ……昨日、私は嫌だって言ったの
に、山田君に無理やりベッドに引き込ま
れたんだ。



でもベッドに入った途端、ものすごい睡
魔に襲われて、あっという間に寝付いち
ゃったんだっけ。



「お、おはよう山田君」

「……はよ」



少し掠れた声でそう言う山田君。



山田君も寝起きなのか、やけに潤んだ瞳
で見つめられて、心臓が不規則に揺れ出
す。



「山田君……?」

「ん?」

「そろそろ離してくれるとありがたいか
なあ~……なんて」



ヘラっとぎこちない笑みを浮かべながら
、そう言う。