「美姫……美姫、起きろ」

「ん~……」



どこかで、山田君が私を呼んでくる声が
聞こえてくる。



だけどふわふわした思考では、もうそれ
を確かめる気力さえもなくて──。



不意に、誰かに、むにっと頬をつねられ
て、思わず眉間に皺が寄ったのがわかっ
た。



「おい、起きろって」

「んー……あと五分……」



そう言って再び、眠りにつこうとしたけ
れど。



「襲うぞ」

「!?」



突然聞こえてきた物騒な言葉に、思い切
り目を見開いた。



すると、目を見開いた先、間近に山田君
の顔があって、思い切りビックリして、
言葉が一瞬出なくなってしまった。



「……っ、!?」



驚いて、とりあえず離れようとすると、
許さないと言わんばかりに、抱き寄せら
れる──ベッドの上で。