やがて唇を離した山田君は、満足そうに 私の首筋を見つめてた。 「ふーん、結構綺麗に付けられるもんな んだ」 「えっ何!?何を付けたの、ねぇ!」 だけど山田君は意地悪に笑うだけで、教 えてくれなかった。 山田君と「教えて」「教えない」の押し 問答を繰り返しながら、ふと思う。 こんな風に穏やかな時間が、いつまでも 続いてくれればいいのに、と。 .