鬱陶しそうにスイを見やりながら、そう
訊く山田君。
「夕食が出来てます。こちらでお召し上
がりになりますか」
「あー……じゃあ、ここで。美姫のもあ
んの?」
「勿論ありますよ。……まったく、レオ
ンが余計な生き物を連れてくるから、余
分に材料費がかかったじゃないですか」
やれやれ、というように首をふるスイ。
ちょ、生き物って……もしかして私?
酷い言い様だ、なんて思いつつ、スイの
尻尾から目が離せない。
左右にゆらゆら揺れる、ふわふわのそれ
。……もふもふしたい。
もふもふしたい!!
とうとう我慢が出来なかった私は、ガバ
ッとスイのもふもふ、否、尻尾に飛び付
いた。
「ひあっ!?」と、スイが可愛らしい声
をあげる。
うはー、すっごいもふもふ!予想以上に
もふもふ!!なにここ天国?あ、天国か
。


