山田君がドアを乱暴に開けて、私を押し
込む。
中はやっぱり、桁違いに広くて、モノト
ーンで統一された、カッコいい部屋だっ
た。
「山田君、ここは?」
「俺の部屋」
ええ!?山田君の部屋!!?
こんな大きな部屋まるまる自分の部屋だ
なんて、やっぱり山田君って凄い。
「それよりお前、さっきの親父の言葉、
絶対に真に受けるなよ?」
「え……」
「あんな男の言うこと真に受けて、俺か
ら離れるとか言い出すんじゃねーぞっつ
ってんの」
ちょっと不機嫌そうにそう言う山田君。
でも、そんなこと言われても、気になっ
ちゃうよ……。
「あのさ、俺にとっては、お前が離れる
方が迷惑だから」
「山田君……」


