黒く艶のある、サラサラした髪。
切れ長の、ブラウンの瞳。
その人も山田君と同じような格好だった
けど、ローブの色が唯一違い、黒だった
。
「よく帰ってきたな」
「親父……」
やっぱり、この人が山田君のお父さんな
んだ。
すごくカッコいい人だけど、あんまり山
田君とは似ていない。山田君は、お母さ
ん似なのかな?
「帰ってきた、んじゃなくてあんたが無
理やりここに来させたんだろ」
「そんなの、決まりを破ろうとしたお前
が悪いんじゃないか」
冷たい眼差しで、射るように山田君を見
つめる山田君のお父さん。
その冷たさに、思わずゴクリと息を呑む
。
こ、怖い……。
正直、もっとお茶らけてる感じのお父さ
んだと思ってたから意外すぎる。


