ふわふわした、狐のような耳。同じくふ
わふわした、触ったら柔らかそうな尻尾




その背中からは、純白の翼が両側に着い
ていた。



一言で言うなら、狐のコスプレをした、
翼の生えた子供。



山田君が、苛立たしげに舌打ちしたのが
聞こえた。



その狐のコスプレ姿の子は、淡いグリー
ンの瞳で、私達を見据えた。



「レオン、貴方は法を犯しましたね。天
界から逮捕状が来ていますので、天界に
強制送還させて貰います」



何が起きているのか、わからなかった。



ただ、その子が片手をつき出した瞬間。



「美姫っ!」



山田君が私をぎゅう、と抱き締めて、眩
い光が、私達を包み込んだ──。










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