「私、本当に山田君の事が──」

「一つ、教えてやる」



私の言葉を遮るようにしてそう言った山
田君。



山田君は私を見ると、ちょっと悲しげに
笑った。



「俺達キューピットは……恋をするのは
、駄目なんだ」



え──。



「厳密に言うと、"人間"との恋はご法度
なんだよ。俺がもし美姫と恋をしたら、
それは重大な禁忌を犯すことになる」



待って。

頭が、追い付かない。



人間との恋はご法度?なにそれ、知らな
い。そんなこと、一言も言ってなかった
じゃん。



「も、もし禁忌を犯したら……?」

「──俺は間違いなく、処刑される」



"処刑"という言葉がやけに胸に突き刺さ
った。



……二度目の恋も、玉砕確定なの?





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