カフェに入ると、営業スマイルを貼り付
けたお姉さんが、そこまで言って、急に
言葉を止めた。
さっきまで貼り付けていた営業スマイル
はどこへやら、今は呆然としている。
そんなお姉さんの目線の先は、私。
……なんで見られてるんだろう、と不思
議に思い、「大丈夫ですか?」と訊くと
、そのお姉さんはサッと頬を赤らめた。
そして、いきなり私の手を、ガシッと掴
んだかと思うと。
「あの……っ、よろしければ、メアド交
換とか──」
「席に案内してくださーいっ!!」
お姉さんが何かをいい終える前に、愛璃
が急に大声を出してそう言った。
そんな愛璃に、お姉さんはハッとしたよ
うな表情を浮かべて、「す、すいません
!こちらへどうぞ……」と私達を案内し
てくれた。
その間も、お姉さんはチラチラと私を見
て、席から離れる時も、どこか名残惜し
そうだった。
なんだったんだろう、あれ。
そう思いながら、メニューを見ていると
。


