【完】恋のキューピットは山田君!






ふわり、と愛璃に微笑むと、愛璃は照れ
くさそうに笑った。



だけど──。



「じゃあ美姫ちん、近くのカフェに行こ
うか!」

「え?」



突然、何かを企むような笑顔で、そうや
って私の手首を、両手でガシッと掴んだ
愛璃。



な、なんかイヤな予感が……。



「なんで急にバレンタインを気にし始め
たのか、誰にあげるつもりなのか、白状
して貰うからね!」

「……っ!!!」



……そこで私は気付いた。



ラッピングまで一緒に選びに来てくれた
のは、これが狙いだったのだと。



嫌がる私をよそに、雑貨屋さんから出て
、十分ほどの所にあるカフェへ、私と愛
璃は入った。



「いらっしゃいませー、二名様ですか?
こちらのお席へ……」