さすがにバレンタインのことは言えなか
ったので、腹痛って言っちゃったけど。
愛璃とやってきたのは、駅の近くにある
お店。
女の子向けのそのお店は、小物や雑貨な
どが置いてあって、今はバレンタインの
影響を受けて、可愛いラッピングや、バ
レンタインのレシピなどが売っている。
「とりあえずここ入ろー!」
そう言いながらすんなりとお店の中に入
っていった愛璃。
だけど私は、どうしても入りにくくて、
入口にしばらく突っ立っていた。
「なにしてんの美姫ちん?入んないの?
」
早くおいでよー、なんて言いながら、私
を手招きする愛璃。
……だけど。
こんな可愛いお店、入ったことがないか
らちょっと抵抗あるっていうか……。
キラキラしてて眩しいっていうか。
「私には似合わない気がする……」


