「うんそれは……今の一言で、察したか
ら大丈夫」
絶対に山田君には頼まないから!
ていうか手作りがどうとか偉そうなこと
言ってるくせに、自分は作れないとか、
どうなのそれ。
まあ、いいか。
「誰か他に料理できる奴、近くにいねー
の?」
「料理できる子、ねー……」
うーん、どうだろう。
家庭科部の子だったら、料理上手なんだ
ろうけど、あんまり知り合いはいないな
あ。
……向こうは私のこと、知ってるみたい
だけど。この前、家庭科部の子に、握手
を求められた覚えがある。
「あ、そうだ!」
居るじゃん!間近に、一人。
「愛璃に頼んでみるっ!」


