「ねえいつも思うんだけど……」
「ん?」
「天界でも、そんな普通の人間界みたい
な洋服、着てるの?」
なんか天使が皆こういう服って、想像つ
かないんだよね。かといって、じゃあど
ういう服なら想像通りなんだとか言われ
ても、困るんだけど。
すると、山田君の表情が見てわかるくら
いに凍りつく。
「天界の時の服なんて……どうでもいい
だろ。もうその話は口にするなよ!」
と焦ったように言いながら、階段を降り
ていってしまった。
前に、天使の服が話題に持ち上がった時
も、山田君はあんな風に挙動不審だった
っけ。
すっごい気になるんですけど……。
「あ、レオレオーっ!美姫ーっ!」
駅前まで行くと、既に先輩は待っていて
、私と山田君を見つけると、嬉しそうに
手をブンブンと振った。


