【完】恋のキューピットは山田君!





先輩が部活に入った動機って確か、女の
子に騒がれたいからとか、そういう理由
だった気がするのに。



なんで、彼女、居ないんだろう?



普通なら、すぐにでも彼女作って、イチ
ャイチャしそうなのに……そーいう話は
、一度も聞いたことない。



誰かが先輩のことを好きだとか、そうい
うのはこれでもかってくらい、聞いたけ
どね。



……変なの。



「美姫、もうそろそろ行こうぜ」

「うん、そうだね」



山田君の言葉に頷いてから、白いコート
を着て、バックを肩にかけた。



今日は一応、私の中では"デート"だから
、滅多に穿かない、スカートを穿いてみ
た。



山田君は、普通に今どきの高校生って感
じの、カジュアルな格好だ。



それが嫌味なくらい、似合ってる。