興奮したように、山田君の周りを飛び跳
ねる先輩。
先輩に、犬の耳と、しきりに左右に振ら
れてる尻尾が見えるのは幻覚だよね、き
っと。
「絶対嫌です。」
前までは先輩のウザいくらいの絡みを、
やんわりとスルーしていた山田君も、今
では結構辛口だったりする。
まあ先輩は気付いてないんだけど。
「ていうかレオレオ、俺に話かけてくる
なんてなにか重要な事でもあったの?」
と先輩は首を傾げてから、ハッとしたよ
うに目を見張った。
「ま、まさか弓道部をやめたいとか……
。いくらレオレオでも、それは許さない
からな!」
……先輩は一人で突っ走っていた。
ああ先輩、お願いだからいい加減気付い
て!
山田君の目がどんどん冷めてるのに気付
いて!!


