「山田君なんだかんだ言って、先輩の事
が大好……」
「いや、ないから。」
ジロリ、と睨み付けられて、苦笑いする
。さすがにそういう訳じゃなかったか。
「だから、三人で遊ぶ、っていう名目で
大川を誘って、んで、俺が急用が入った
とかで途中で抜けて、その後はお前ら二
人で遊ぶ」
「ああ、なるほど……」
先輩と二人きりになったときにはたして
冷静で居られるのかが一番の問題だけど
、やってみる価値はありそう。
正直、クリスマスを先輩と過ごせればな
あなんて思ってたのも事実だし。
そして、クリスマス当日。
「部長、ちょっと良いですか?」
部活が始まると、ニッコリと微笑んだ山
田君が、先輩に近付く。
先輩は一瞬ビックリしたように目を見開
いてから、その瞳をきらきらと輝かせた
。
「ちょ!レオレオから話かけてくるなん
て初めてじゃない!?今の録音したい!
あとでもっかい言って!」


