【完】恋のキューピットは山田君!






……誘えれば、の話だけど。



「いっとくけど私から誘うとか無理だか
ら」

「文化祭の時は出来ただろ」

「もうあの時に全ての勇気と精力を使い
果たしたから。もうこれっぽっちも残っ
てないから」



あんな心臓ドキドキしすぎて死にそうな
ことそう何回もやってられない。



「このまま大川との進展が無いままでい
いのか!?」

「そんなに先輩とクリスマスデートした
いなら、山田君がしてくればいいじゃん


「いやもうそれ意味わからんだろ」



なんで俺が大川とデートすんだよ、と本
気で嫌そうにする山田君。



でも多分、先輩は喜ぶと思うけど。



「じゃあわかった。俺が大川を誘ってや
る」

「え?」



何故か自信満々にそう言った山田君。



もしかして……。