……誘えれば、の話だけど。
「いっとくけど私から誘うとか無理だか
ら」
「文化祭の時は出来ただろ」
「もうあの時に全ての勇気と精力を使い
果たしたから。もうこれっぽっちも残っ
てないから」
あんな心臓ドキドキしすぎて死にそうな
ことそう何回もやってられない。
「このまま大川との進展が無いままでい
いのか!?」
「そんなに先輩とクリスマスデートした
いなら、山田君がしてくればいいじゃん
」
「いやもうそれ意味わからんだろ」
なんで俺が大川とデートすんだよ、と本
気で嫌そうにする山田君。
でも多分、先輩は喜ぶと思うけど。
「じゃあわかった。俺が大川を誘ってや
る」
「え?」
何故か自信満々にそう言った山田君。
もしかして……。


