別に、抱き締めるくらい、女の子ならい
ってくれればしてあげるのにな、なんて
事は、自分からは恥ずかしくて言えない
けど。
「ねえ美姫ちん、もうすぐクリスマスだ
ねー」
ぐるぐる巻きにしていたマフラーを外し
ながら、そう言った愛璃。
そういえば、と頷く。
あと一週間もすれば、クリスマスだ。
「美姫ちんはクリスマス、どうするの?
」
「部活だけど」
「えっ!」
「はぁ!?」
愛璃の驚く声に被せるようにして聞こえ
てきた声。
その声の方を向くと、そこには目を見開
いた山田君が居た。
「はぁ!?」って山田君……いつものキ
ャラはどうしたのさ。