【完】恋のキューピットは山田君!






可笑しい。

絶対、可笑しい。



こんなの山田君じゃない。そんなわけな
いけど、これはきっと山田君の姿形をし
た偽物なんだ。



「……っていうか、やめんか変態ー!」



唇が触れあう手前で、私はそう言って山
田君を突き放した。



まさか突き飛ばされるとは思っていなか
ったのか、「うおっ」と言いながら、ベ
ッドにしりもちをつく山田君。



私はそんな山田君を睨んだ。



「い、いくらなんでも予行練習とはいえ
……あれは近すぎでしょ!」



そう言うと、山田君は少し目を見開いて
から、いつものように意地悪そうな笑み
を浮かべた。



「なに?ちょっと期待しちゃった?」

「す、するわけないでしょうがバカ!」



期待って何だ!何語だそれ!