そりゃあ、失敗すんのは嫌だけど……。
なんて思ってる間にも、山田君はすぐ目
の前まで来ていて。
山田君は、いまだかつて一度も見せたこ
とのなかった、熱っぽい視線で、私を見
下ろしてきた。
「ややや山田君……!?」
「黙れよ」
そう言った山田君の掠れた声がやけに色
っぽくて戸惑う。
まってまってまって。
何でいきなりこんな色気だだ漏れなの!
?なんでちょっとエロい空気になってん
の!?
あたふたしている間にも、山田君の行動
は止まることを知らず。
ス、と山田君の長い指が、私の顎に当て
られて、クイッと上に持ち上げられた。
「例えば、こんな風に……キス、とか」
「な、何いって……」


