【完】恋のキューピットは山田君!






こいつはまた偉そうに……!



「あんたは私の恋のキューピットでしょ
!?だったら私の恋を叶えようとするの
が普通なんじゃないの!?」



だからもっと献身的に、協力的になって
くれても良いと思うんだけど!



と、山田君に訴えると、山田君は少し目
を見開いてから、バツが悪そうに目を伏
せた。



サラリ、と山田君の黄金色の前髪が目に
かかって、その表情が見えなくなる。



「……だよな、それが普通……だよな」



さっきまでの威勢が無くなってしまった
山田君に、思わず私の怒りも萎んでしま
った。



急にテンション低くなるなんて……変な
の。



「なんでいきなりそんな沈むの?」

「別に。美姫には関係ないしー?」



間延びしたようにそう言いながら、つー
んとそっぽを向く山田君。




ほんっと可愛くないんだから!