フフン、と自慢気に言った山田君を、き
ょとんとしたように見上げる私。
「や、妬かせちゃおう大作戦……?」
「そう。その名の通り、大川にやきもち
を妬かせてみるという試みだ」
先輩に、やきもち……?
だけどどうしても脳内に現れるのは、頭
のてっぺんにお花の咲いた、ふわふわし
た能天気な先輩。
正直、あの先輩が誰かに嫉妬するとか、
想像出来ない。
「ていうかどうやって嫉妬させんの」
「それをこれから説明しようと思ってた
んだろ。……まあ、簡単に言えば、俺と
お前が仲良くするだけだけど」
「……え?」
私と山田君が……仲良く?
なにそれ。
「絶対無理じゃん」
「なんでだよ」
即答した私に、呆れたような眼差しを向
ける山田君。


