【完】恋のキューピットは山田君!






ガラ、とドアの開く音が聞こえてきて、
私を取り囲んでいた女子は一斉にそちら
を向き……



『キャーーーッ!!』



と、またもや黄色い悲鳴をあげた。



その悲鳴の訳は、すぐにわかった。



だって、教室のドアの所に──金髪碧眼
の、王子様が立っているんだもの。



いつもサラサラとくせのない金髪は、今
日はワックスで、セットされていて、少
し外に跳ねてる。


そして相変わらずの綺麗なブルーの瞳と
、それを縁取る長い睫毛。



微かに微笑を称えた山田君──もとい、
レオンは、王子様のような格好をしてい
た。



真っ白なタキシードのような洋服。


胸元のポケットからは、赤いスカーフが
のぞいている。