「なんで脱がそうとすんのっ!」
「だから、身体で迫ってこいっつったろ
。脱がないでどーすんだよ」
「この国ではそれは犯罪行為です!」
そう言うと、山田君はピタリと止まり、
あからさまに嫌そうに顔を歪めた。
「はぁ?んだそれ。地球人めんどくせー
」
いやいや常識ですから!……って、ん?
この人はまた、何か馬鹿げた事を言わな
かっただろうか。
「地球人って……それは山田君もじゃん
」
そう言うと、山田君は怪訝そうに眉を寄
せて、
「何いってんだよ。俺はあんたの恋を叶
えるキューピット。……この国じゃ、天
使っていうんだっけ?それだよ」
ある日現れたのは、とても胡散臭い恋の
キューピット──金髪碧眼の、天使でし
た。